コマイぬ ご吠えめ 「豊の午後 〜萩原伸次戯曲選〜」 モラトリアムと自立と
次にやる演出のお仕事です。
桐朋の後輩でもある、萩原くんの本を、これまた後輩の黒色綺譚カナリア派の劇団員でもある芝原くんの団体『コマイぬ』で演出させていただきます。
全く違った時期に書かれた短編たちを、豊の午後という題名でくくった短篇集。
ただいま絶賛稽古中でして。
稽古していて思うことは、いくつになってもモラトリアムってあるんじゃないかなー、といつも考えます。
モラトリアム。日本で使われるざっくり意味としては、一人前の大人になる前の猶予期間のことです。
一般的には、大学生とか、就職浪人の期間とかを指したりするものです。
でもですよ、一人前の大人とは?という話にもなると思うのです。
就職したら、結婚したら、一人前の大人か?というとそれも微妙な話。なぜなら、私は、経済的にも精神的にも依存することなく自立というものを獲得して初めて一人前の大人なんじゃないかと思うからです。
つまり、何かに依存している間は、モラトリアムに入るんじゃないかとか思ったりします。
子離れ出来ない母が、子離れする直前の期間、恋人でもないのになんとなく離れられない二人、死んだ旦那に、母にしてしまった罪悪感に、
孤独というものが常にそこにいて、頼るくらいなら良いとして、依存してしまう。
ここにやるせなさと、しょうもなさと、物悲しさがあるように思います。
このお話は、この部分に深く切り込み、繊細に描かれているように思います。
さてさて、上演する場所もこれまた素敵な、ギャラリーしあん。
古民家をギャラリーに改造したスペースなのです。
日本的、古民家で描かれる、現代的な家族の姿。ある意味普遍性があるテーマなのかもしれません。
時に、笑えて、時に物悲しい、『豊の午後 〜萩原伸次戯曲選〜』。
是非是非、味わいに来ていただければ幸いです。
コマイぬ ご吠えめ
「豊の午後 〜萩原伸次戯曲選〜」
【Story】
『恋愛恐怖病2005』
『豊の午後』
『お母さんは大丈夫』
『YODAKA』
【Schedule】 2015/6/4(Thu)~6/7(Sun)
【Place】
Gallery & Space しあん
【Playwright】
萩原伸次/岸田國士(「恋愛恐怖病」)
【Dramatization】
萩原伸次(「恋愛恐怖病」)
【Direction】
三浦佑介(サルとピストル)
【Cast】
芝原弘
石井舞
田中千佳子(チタキヨ)
加藤素子
大崎優花
大橋奈央
【Time Table】
6/4(Thu) ※15:00-(公開GP)
19:30- 6/5(Fri) 15:00-/19:30- 6/6(Sat) 13:00-/16:30-/20:00- 6/7(Sun) 13:00-/16:30-
※上演時間は90分を予定
※受付開始・開場は共に、開演の30分前
※公開GPには、DVD収録のカメラが入ります。ご了承ください。
【Price】
前売・当日共 ¥2500
※公開GP/前売・当日共 ¥2000
【チケット申込み】
https://www.quartet-online.net/ticket/comainu05?m=0bacbig
【協力】
プロジェクト・ドロブラ 黒色綺譚カナリア派 サルとピストル アイリンク㈱ チタキヨ KATO企画 ㈱和エンタテインメント MakeProduction
【問い合わせ】
050-5892-7532
hiroshi_shibahara@kokusyoku.com